訪問教育って知っていますか?
訪問教育は教員が家庭や施設に出向いて授業を行うことです。
障害の程度が重度または重複していて、通学することが困難な児童生徒で希望をすると受けることができます。
小・中学部の児童生徒は通学していて、途中から訪問教育になったり、逆に訪問教育から通学生になることもあります。
高等部は、訪問教育の入試があります。
週3回、2コマ(中・高50分(小45分)×2)が上限です。
体調や事情で、それよりも少ない場合もあります。
訪問教育を行う家庭や施設には、自動車(公用車、自家用車)等で移動します。都会では公共交通機関を使ったりしています。
ーあるあるー
天気の良い日は訪問宅への行き帰りが気持ち良いです。ずっと学校の中にいるより気晴らしになります。
逆に雪の中のダブルヘッダー(午前・午後で2軒)、強風で揺れる車の中コンビニの駐車場で食べる恐怖の昼食、夏の訪問宅から学校の方を見ると真っ黒で稲妻が光っていて、予想通りゲリラ豪雨にあったり。
思わぬところで工事中があったりして、渋滞にはまったり。
学校から出発して、向かう途中で、欠席の連絡が入ったり。
・・・
でもこんな感じで思い出話になります。
教材を持って行きます。運べる量や大きさも限界があります。
ーあるあるー
視線入力装置セットをまるごと運ぶ家庭は駐車場が離れていました。道路に一時停車して荷物を玄関に入れ、帰りも車を持ってきて運び入れるということをしました。
家庭訪問教育は家庭の状況に配慮しながら行います。保護者から健康状態を聞いたり、話をしたり、場合によっては相談に乗ったりします。
施設訪問教育は、施設のルールに従ったりスタッフとの連携も必要になったりします。
ーあるあるー
学校と訪問教育で行っている施設の忘年会が同じ会場の1階と2階で行われたことがありました。はしごをして、2次会は施設の方に連れていかれました。
渡良瀬で1年、あさひで6年、赤城で3年、訪問教育をしています。
年度末に次年度の担任希望を出します。訪問教育になってからは、その次年度も自分から希望を出しています。
自分からやりたいという人は、少ないです。
でもなぜ訪問教育をやりたいかというと、「自分で決められるから」です。
特別支援学校はティームティーチングで担任と副担任でクラスを受け持ちます。気が合う人であればいいのです。けっこうお互いに気を使います。
その点、訪問教育は一人で授業を行います。
そのため気が楽です。どんな授業をするか自分で考え、好きなやり方で進められます。出張報告書を毎回書いて週末に提出しています(1週間でA4が1枚)。授業の様子は管理職が知っていますし、相談に乗ってもらうこともあります。
家庭に行き情報交換をしながら、誠実に授業を行っていきます。毎回家族に見てもらっています。信頼感も持ってもらえます。3年間持ち上げことが多く、じっくりと生徒の成長を味わうことができます。
それなりに責任もあり、やりがいも持てます。
ーあるあるー
卒業式では通学生が「卒業生の言葉(答辞)」を担当します。記念品授与を訪問生が担当したことがありました。
・教員になりたての頃、先輩からパソコンを教えてもらいました。校務では使っていました。授業で生徒に視線入力をさせるには、パソコンの知識が必要です。
PowerPointで教材を作る方法、動画をリンクさせて再生させる方法が生かせます。
ーあるあるー
訪問に行かない時間に、通学のクラスの校内支援に入ったりします。そのクラスの児童生徒の視線入力やICT活用の相談に乗ったりします。
・自分の趣味で普段から音楽を聴いています。そこから教材のヒントを得ることもあります。お楽しみ会では、訪問宅にギターを持って行って弾きました。
・知的障害特別支援学校での自閉症の生徒への対応、肢体不自由特別支援学校での重度重複障害の生徒への介助の仕方、何でも生かせます。
ーあるあるー
行く前にスマホでニュースをチェック。保護者との会話がスムーズになります。
生徒や家族と話を合わせるために詳しくなったこと
乃木坂46(乃木坂工事中を録画して予習)、旧ジャニーズタレント、ジャパネット、コブクロ、中島みゆき、宝塚歌劇団、アンパンマンのキャラクター、Eテレの番組(おかあさんといっしょ、いないいないばあ、ピタゴラスイッチ)、マツケン、スーパー歌舞伎・・・。